出典:
『日本地理体系第十二巻 朝鮮編』改造社、1930年9月
原資料種類:
写真(前)
原資料付加文字情報:
龍頭山 龍頭山は現在釜山市街の中央に位する標高百米突余の山であるが、昔は倭館区域の東辺にあったのである。この倭館は当時の草梁村に設けられたから、之を草梁倭館と称し、其の区域は此の山を囲んで東西三百五十間。南北二百五十間であって、現釜山市街の首部を占め居った。倭館は朝鮮に於ける対馬の専管居留地兼貿易場で、之を総括する為め対馬より派遣せられた役人を館守といい、其の居館である館と守屋は此の山の中腹にあった。今の釜山府庁は即ち其の舊基に立てられたのである。此の山の西方には対馬の使者の宿泊に宛てた東、西,中の三館が設けられてあった。又此の山の頂には龍頭山神社が鎮座されてある。之は最初渡海の安全を祈る為めに金刀比羅太神を此の山に祀ったが、其の後漸次他の神々を合祀して最近に今の位置に社殿を移しかえたのである。昔此の山は其の北方に伏岳山に連鎖し、此の山に虎狩をした事さえある。一たび此の山に登って東方を眺めると、絶影島並に釜山港口の佳景は眼下に展開し、好晴の日には対馬島を水天髪髭の間に望むことが出来る。(小田章吾)
原資料内容:
海上から見た釜山郊外龍頭山の風景 左上に松林に囲まれた流造風の本殿、拝殿、社務所?等が見える
原資料サイズ:
140×75
掲載ページ:
99
備考:
創建時は金刀比羅神社。1894(明治27)年に居留神社と改称。1899(明治32)年に龍頭山神社と改称▼1936(昭和11)年8月1日、国幣小社に列格